健康診断で心電図の異常を指摘された方や、動悸、息切れ、胸の痛み、むくみなどの症状がある方にとって、心電図検査と心エコー検査がどう違うのか、何がわかる検査なのかは気になるところだと思います。この記事では、両方の検査の役割の違いと、検査の流れ、受診の目安について説明します。
心電図と心エコー検査の違い
心電図と心エコーは、どちらも心臓を調べる検査ですが、調べている対象が異なります。
心電図は心臓の電気的な活動を記録する検査
心臓は、電気的な信号によって規則正しく拍動しています。標準12誘導心電図は、心臓の筋肉が活動するときに発生する微弱な電気信号を、体表につけた電極で記録する検査です。波形の異常や脈の乱れを調べることで、心臓肥大や心筋梗塞などを示す波形の変化、不整脈の確認に役立ちます。
心エコーは心臓の形や動きを画像で確認する検査
心エコー(心臓超音波検査)は、超音波を使って心臓の部屋の大きさや働き、弁の動きなどを観察する検査です。心臓の大きさ、壁の動き、血液を送り出す機能、血液の流れや速さなどを、リアルタイムの画像として確認できます。
調べる対象が異なるため両方必要になることがある
心電図は主に心臓の電気的な活動を、心エコーは主に心臓の構造・動き・血流を調べる検査です。どちらか一方が上位の検査というわけではなく、役割が異なります。そのため、症状や診察、健診結果に応じて、両方の検査を組み合わせて評価することがあります。
心電図検査とは
心電図検査でわかること
心電図検査では、脈の速さやリズムの乱れ(不整脈)、心臓の筋肉への負担を示す波形の変化、過去の心筋梗塞を示す波形などを確認できる場合があります。
検査の方法と流れ
ベッドに横になり、手首、足首、胸に電極を装着して記録します。波形の記録自体は短時間で終わりますが、着替えや電極の装着などを含めた所要時間は、医療機関によって異なります。痛みを伴う検査ではありません。
短時間の検査では記録できない不整脈もある
安静時心電図は、検査を行っているごく短い時間の記録です。そのため、時々しか起こらない発作性の不整脈は、検査のタイミングによっては記録に映らないことがあります。心電図が正常であったとしても、発作性の不整脈や心臓の構造的な異常のすべてを否定できるわけではありません。このような場合は、後述するホルター心電図など、より長い時間を記録する検査を検討することがあります。
心エコー検査とは
心エコー検査でわかること
心エコー検査では、心臓の部屋の大きさや動き、弁の開閉の状態、血液を送り出す機能、心臓内の血液の流れや速さなどを確認できる場合があります。
検査の方法と流れ
胸にゼリーを塗り、超音波を発するプローブ(探触子)を肌に押し当てて、画面に映る心臓の動きを観察します。検査の途中で、体を左向きにしたり、一時的に息を止めたりする場合があります。一般に体への負担は少ない検査ですが、プローブを押し当てた際に圧迫感や痛みを感じる場合があります。所要時間は、調べる病気の種類や患者さんの状態によって異なります。
放射線を使わず心臓の動きを観察できる
心エコーは超音波を利用する検査で、放射線は使用しません。心臓が実際に動いている様子をリアルタイムで確認できることが特徴です。一方で、肺や肋骨などの影響により、心臓の一部が十分に観察できない場合もあります。心エコーの結果が正常であったとしても、すべての心臓病を否定できるわけではありません。
心電図と心エコーでわかる主な病気
心電図や心エコーの結果から、次のような病気が疑われる場合があります。
- 不整脈(脈が速い、遅い、乱れるなど)
- 心筋梗塞など、心臓の筋肉に生じた変化
- 心不全や心筋症
- 心臓弁膜症
ただし、これらの病気は検査結果だけで確定するとは限りません。心電図に何らかの所見があったからといって、必ず治療が必要になるとも限りません。問診や診察、他の検査結果とあわせて、総合的に判断されます。
症状に応じた検査の選び方
動悸や脈の乱れがある場合
動悸や脈が飛ぶような感覚がある場合は、まず心電図でリズムの状態を確認します。動悸は起こったり治まったりすることが多いため、受診時の短い心電図だけでは、症状が出たときの状態を記録できないことがあります。その場合は、日常生活の中で心電図を記録できるホルター心電図を検討します。
息切れやむくみ、心雑音がある場合
息切れやむくみがある場合や、聴診で心雑音が確認された場合は、心臓のポンプ機能や弁の状態を評価するために、心エコーを行うことがあります。
胸痛や健診異常がある場合
胸の痛みがある場合や、健康診断で心電図の異常を指摘された場合は、心電図に加えて、必要に応じて心エコーなどの検査を組み合わせて評価します。
ホルター心電図との違い
日常生活中の心電図を長時間記録する検査
ホルター心電図は、電極シールと小型の記録器を身につけたまま、日常生活中の心電図を24時間にわたって記録する検査です。動悸、胸痛、めまいなどの症状があったときに、心電図がどのように変化しているかを調べます。
安静時心電図で異常が記録できない場合に検討する
短時間の安静時心電図では、時々しか起こらない不整脈を捉えられないことがあります。検査中は、症状が起きた時刻や、そのときの行動を記録しておき、あとで心電図の記録と照らし合わせて確認します。入浴や運動などについての注意事項は、使用する機器や医療機関の指示によって異なります。
健康診断で心電図異常を指摘されたら
症状がなくても結果表を持って循環器内科へ
健康診断で心電図の異常を指摘された場合は、自覚症状がなくても、結果表を持って循環器内科を受診することをおすすめします。特に「要再検査」「要精密検査」「要受診」などの判定がある場合や、動悸・息切れ・胸痛などの症状がある場合は、循環器内科へご相談ください。
必要に応じて心エコーやホルター心電図を追加する
受診後、必要に応じて心エコーやホルター心電図などを追加で行い、より詳しく状態を確認することがあります。
正常範囲の変化もあるため自己判断で病名を決めない
心電図の所見の中には、治療の必要がない正常範囲の変化も含まれます。結果の記載だけを見て自己判断で病名を決めず、医師の診察を受けて確認することが大切です。
急いで受診したい症状
胸の強い痛み、強い息苦しさ、冷や汗、失神や意識の異常などを伴う場合は、通常の外来受診を待たず、119番への連絡を検討してください。
検査を受けるときの服装・準備
心電図検査の服装と準備
胸や手首・足首に電極をつけるため、着脱しやすい服装での来院がおすすめです。ワンピースなど上下がつながった服は、脱ぎ着に時間がかかる場合があります。
心エコー検査の服装と準備
心エコーは主に胸にプローブをあてて行う検査(経胸壁心エコー)です。胸を出しやすい服装での来院が適しています。一般的な経胸壁心エコーでは、通常、食事制限はありません。普段服用している薬も、通常はそのまま服用できます。ただし、医療機関から個別の指示がある場合は、その指示に従ってください。なお、経食道心エコーや負荷心エコーなど特殊な心エコー検査では、準備や制限の内容が異なります。
健診結果・お薬手帳を持参する
過去の健診結果やお薬手帳をお持ちの場合は、受診時にご持参ください。以前の検査結果と比較することで、変化の有無を確認しやすくなります。
護国寺内科・循環器クリニックで行う検査
護国寺内科・循環器クリニックでは、循環器専門医が診療にあたり、心電図・心エコーをはじめとする循環器の検査をご案内しています。心電図、心エコー、ホルター心電図、胸部レントゲン、ABI(足関節上腕血圧比)に加えて、必要に応じて血液検査を行っています。健康診断で心電図異常を指摘された方の再検査や経過観察にも対応しています。
初診では、問診、心電図、必要に応じた心エコーなどを行い、全体の所要時間はおよそ30〜60分と案内されています。診療内容や混雑状況などにより、所要時間は変わる場合があります。
受診の際は、健診結果やお薬手帳をお持ちいただくとスムーズです。より専門的な検査や治療が必要と判断した場合は、連携している医療機関へご紹介します。動悸の症状についても、あわせてご確認いただけます。
Web予約・電話予約に対応していますので、ご都合に合わせてご利用ください。
よくある質問
心電図・心エコー検査について、受診前によくある質問にお答えします。
心電図と心エコーは両方受けたほうがよいですか?
心電図と心エコーは調べている対象が異なるため、症状や心電図の結果によっては、両方を組み合わせて評価することがあります。どちらが必要かは、診察のうえで判断します。
心電図が正常なら心臓病の心配はありませんか?
安静時心電図が正常であっても、時々しか起こらない発作性の不整脈や、心エコーでなければわかりにくい心臓の構造的な変化まで、すべて否定できるわけではありません。気になる症状が続く場合は、医師にご相談ください。
心エコー検査の痛み・被ばく・食事制限は?
心エコーは超音波を利用するため、放射線は使用しません。一般に体への負担は少ない検査ですが、プローブを胸に押し当てる際に、圧迫感や痛みを感じる場合があります。一般的な経胸壁心エコーでは通常、食事制限はなく、普段の薬も通常どおり服用できます。ただし、医療機関から個別の指示がある場合は、その指示に従ってください。
まとめ
- 心電図は心臓の電気的な活動を、心エコーは心臓の形や動き、血流を調べる検査です
- どちらか一方が上位の検査というわけではなく、役割が異なります
- 症状や心電図の結果によっては、両方を組み合わせて評価することがあります
- 検査結果だけで病名が確定するとは限らず、問診・診察・他の検査とあわせて総合的に判断されます
- 短時間の心電図で捉えられない不整脈には、ホルター心電図を検討することがあります
- 心エコーでも、肺や肋骨などの影響で十分に観察できない部分がある場合があります
- 健康診断で心電図異常を指摘された場合は、結果表を持って循環器内科へご相談ください
- 胸の強い痛みや強い息苦しさ、失神などがある場合は、119番への連絡を検討してください
- 文京区・護国寺周辺で心電図・心エコー検査をご希望の場合は、護国寺内科・循環器クリニックへご相談いただけます
