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いびきと睡眠時無呼吸症候群(SAS)|原因・受診の目安・検査と治療

2026 2/27

家族に「いびきが大きい」と言われる
寝ている間に呼吸が止まっている気がする
朝起きてもだるく頭が痛い
日中すぐ眠くなる

——ひとつでも心当たりがあれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。

SASはいびきだけの問題ではなく、放っておくと睡眠の質を下げ、高血圧や心血管リスクを高めることが知られています。

受診の第一歩は、いまの睡眠を見える化することです。

当院では自宅で一晩の簡易睡眠検査(夜間ポリグラフィ)で、いびきや無呼吸の程度を評価します。受診の判断は症状や背景によって異なりますが、いびきや日中の眠気が続く、睡眠中の呼吸停止を指摘された場合は、外来での評価が有用です。

目次

そもそも「いびき」とは?|原因と起こりやすい人

いびきが起こる仕組み(気道が狭くなる/舌根沈下/口呼吸)

いびきは、睡眠中に喉の筋肉がゆるんで空気の通り道が狭くなったところを空気が通るときに、喉の周りの柔らかい組織が振動して生じる音です。もともと空気の通り道が狭い方や、睡眠中に喉の筋肉がさらにゆるむことで、いびきはより起こりやすくなります。

主な原因(鼻閉・扁桃肥大・肥満・飲酒・仰向け寝・睡眠薬)

いびきは、睡眠中に空気の通り道が狭くなることで起こります。例えば、肥満、甲状腺機能低下症、末端肥大症の方では、首まわりや喉の奥に余分な組織がつきやすく、空気の通り道が圧迫されて狭くなるため、いびきが生じやすくなります。また、鼻づまりがある方、扁桃腺が大きい方、軟口蓋(口の奥の柔らかい部分)が長い方では、構造的な理由で空気の通り道が物理的に狭くなり、いびきの原因となります。さらに、飲酒をするとアルコールの作用で喉の筋肉がゆるみ、空気の通り道が狭まりやすくなるため、いびきが強くなります。睡眠薬の使用や強い疲労による深い眠りでも同様に筋肉がゆるみ、いびきが起こりやすくなります。加えて、仰向けで寝ると舌や喉の組織が重力で奥に落ち込み、空気の通り道が狭くなるため、いびきが悪化することがあります。このように、いびきは「空気の通り道が狭くなるさまざまな要因」が重なって起こります。

起こりやすい人(BMI・首囲・家族歴・鼻炎/副鼻腔炎・更年期)

肥満の方、いびきが大きな方が血縁にいる方、鼻の構造的な異常や鼻炎の方、軟口蓋(口の奥の柔らかい部分)が長い方、扁桃腺が大きい方、飲酒する方はいびきをかきやすいです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは|症状・タイプ・リスク

SASの定義(無呼吸・低呼吸/閉塞性・中枢性の違い)

睡眠時無呼吸症候群( sleep apnea syndrome : SAS )とは、眠っている間に呼吸が何度も止まったり弱くなったりする、深刻な睡眠障害です。いびきが大きい方や、しっかり眠ったつもりでも日中に強い眠気がある方は、この病気の可能性があります。また、SASは閉塞性睡眠時無呼吸 ( obstructive sleep apnea : OSA )と中枢性睡眠時無呼吸( central sleep apnea : CSA )に大きく分類されます。OSAは喉の筋肉が緩み、空気の通り道が狭くなることで起こります。また、CSAは呼吸をコントロールする筋肉に脳から適切な司令が伝わらないことで起こります。OSAとCSAが混在したSASも存在します。

よくある症状(大きないびき/呼吸停止の指摘/起床時頭痛/日中の強い眠気・集中力低下)

夜間は、大きないびきに加えて「呼吸が止まっている/あえぐように再開する」「息苦しさや窒息感で目が覚める」「夜間に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)」がみられることがあります。

朝は頭痛や口の渇き、熟睡感のなさが目立ち、日中は強い眠気・集中力低下・うっかり居眠りが起こりやすくなります。

気分の落ち込みやいら立ちなど気分面の変化を自覚される患者さまもいます。運転中の眠気は重大な事故の危険があるため、早めの評価が大切です。

合併症・リスク(高血圧・心血管イベント・2型糖尿病・交通事故リスク)

SASを放置すると、高血圧の持続・増悪や心筋梗塞・脳卒中・不整脈などの心血管イベントの危険が高まります。

2型糖尿病・脂質異常症・メタボリックシンドロームとも関連し、体重増加の悪循環を招くことがあります。

さらに、日中の強い眠気は業務ミスや交通事故のリスクを増やします。

適切な評価と治療(生活習慣の見直し、CPAPや口腔内装置等)で、これらのリスク管理が期待できます。

いびき・睡眠時無呼吸症候群の受診の目安|いつ外来で相談すべきか

早めの受診が望ましいサイン(いびき+日中の強い眠気/呼吸停止の指摘/起床時頭痛が続く/居眠り運転の不安 など)
次のような状況が続く/繰り返す場合は、外来での評価をご検討ください。

・同居家族から「呼吸が止まっている」「息が苦しそう」と指摘された
・大きないびき+日中の強い眠気(会議や運転中に眠気が出る・居眠りしそうになる)
・起床時の頭痛・口の渇き・熟睡感のなさが続く
・夜間に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)が増えた
・体重増加・首回りの増大とともにいびきが強くなった
・高血圧・2型糖尿病・脂質異常症などを指摘されている/治療中で、いびきや眠気もある

運転や高所作業など注意力が求められる仕事をされている患者さまは、とくに早めの評価が安全につながります。

受診の際は、症状が出やすい曜日・体位(仰向け/横向き)・飲酒の有無なども一緒にお伝えいただくと、診断の助けになります。

家庭でできる簡単チェック(同居家族の観察ポイント/録音アプリ・いびきアプリの活用/エプワース眠気尺度)

1) 家族・同居人の観察メモ

眠っている最中に呼吸が止まる/あえいで再開する様子がある
いびきの音量(会話と同程度以上か)・体位での変化(仰向けで悪化/横向きで軽減)
窒息感で目覚める/むせる/咳き込む といったエピソード

2) スマホでの録音・アプリ活用

2〜3夜、寝入りから数時間を音声録音。いびきの持続/途切れ(無呼吸の疑い)を確認できます。
いびき記録アプリを使う場合は、日付・就寝〜起床時刻・体位も一緒にメモしてください。プライバシーに配慮してご使用ください。

3) 日中の眠気を数値化(エプワース眠気尺度)

「座って本を読む」「テレビを見る」「会議で座っている」など8場面で0〜3点を付け合計。
合計11点以上が続く場合は、外来での評価をおすすめします。(点数だけで診断はしません)

4) 体格・生活のチェック

体重変化(最近の増加)、BMI(目安:25以上)、首囲(目安:男性40cm超、女性37cm超)
就寝前の飲酒・睡眠薬の有無、鼻づまりの頻度、仰向け寝の習慣 など

5) 受診時に持参すると役立つもの

上記の観察メモ/録音やアプリの画面
服薬リスト(睡眠薬・抗不安薬・鼻炎薬 など)
いつ頃から症状が始まり、週に何回起きているかのメモ

検査の流れ(当院)|自宅でできる簡易睡眠検査を中心に

問診・診察(BMI・首囲・鼻咽頭の確認/服薬・飲酒・就寝環境)

お伺いすること

いびきの様子(頻度・体位での変化・呼吸停止の指摘)、起床時の頭痛や口渇、日中の眠気、居眠りの不安、就寝前の飲酒や服薬(睡眠薬・抗不安薬・鼻炎薬 など)、生活リズム・勤務形態(交代制 など)。

診察で見ること

身長体重・BMI、首囲、血圧、鼻・咽頭・口腔内(扁桃・舌根・軟口蓋)、鼻閉の有無、顎の形態。

合併症の確認

高血圧、糖尿病、脂質異常症、心血管疾患、精神神経疾患の治療状況。
→ ここまでで検査の適応と方法(自宅の簡易検査か、専門機関での精密検査か)を一緒に決めます。

簡易睡眠検査(夜間ポリグラフィ・目的/手順(貸出→自宅で一晩→返却)/所要時間・痛み/注意点(装着部位・寝具))

目的

睡眠中の呼吸の乱れや低酸素、いびきの程度を可視化します。

測定する主な項目

血中酸素飽和度(SpO₂)、鼻口気流、胸腹部の呼吸努力、いびき音、脈拍 など。

手順

機器をお貸し出し→ご自宅で装着して一晩測定→翌日ご返却。装着は数分、痛みはありません。

当日の注意

就寝前の過度な飲酒は控える/普段どおりの就寝・起床でOK/鼻のテープやセンサーが外れないようにだけご配慮ください。

よくある不安

寝返り可/小さなお子さまと同室でも使用可(コード類にご注意ください)。一晩で十分なデータが得られない場合は、再測定をご案内することがあります。

結果の見方の概要(AHIの目安・重症度分類・次のステップ)

AHI(無呼吸低呼吸指数)の目安

おおよそ 5〜15:軽症/15〜30:中等症/30以上:重症 と評価します(年齢・症状・合併症も加味します)。

結果説明

いびきの強さ、無呼吸の有無・頻度、夜間低酸素の程度、どの体位で悪化しやすいかを、グラフと数値でお示しします。

次のステップ

軽症〜中等症相当:体重・体位・飲酒など生活調整+口腔内装置の検討、鼻閉が強い場合は耳鼻科治療の併用。
中等症〜重症相当:CPAP療法の適応を検討。必要に応じて精密検査(PSG)実施のため専門機関へご紹介します。

フォロー

治療開始後は、眠気の変化・装着状況・機器データを確認しながら、負担の少ない形に調整します。

※費用や公的制度の扱いは、診療の際に個別にご案内します。医療として過度な表現は避け、患者さまの症状と生活に合わせて最適な方法を一緒に選びます。

いびき・睡眠時無呼吸症候群治療と対策|生活改善から機器治療まで

生活習慣の見直し(減量・節酒/就寝前の飲食・睡眠薬見直し/横向き寝・鼻閉対策)

体重管理

減量は上気道の狭さを改善し、いびき・無呼吸の軽減に直結します。目標はゆるやかな体重減少(例:月1〜2kg)。

飲酒・就寝前の習慣

就寝3時間以内の飲酒・大量飲食は控えます。アルコールや睡眠薬は咽頭筋をゆるめ、無呼吸を悪化させることがあります。

体位の工夫

仰向けで悪化するタイプでは横向き寝(体位療法)を検討。専用クッションの利用も有用です。

鼻閉対策

アレルギー性鼻炎のある方は点鼻薬・内服の調整や環境整備(寝室のダニ・ハウスダスト対策)を行います。

睡眠の整え方

起床・就寝時刻を揃える、カフェインは夕方以降控える、寝室環境(温度・湿度・照明)を調整します。

CPAP療法(適応・効果の目安・装置のポイント・継続のコツ)

適応の目安

中等症〜重症の閉塞性SASが中心。症状(眠気)や合併症の有無も考慮します。

仕組み

寝ている間、鼻や口から一定の圧をかけて上気道の閉塞を防ぐ治療です。

進め方

装置の選定→マスク合わせ→圧設定→データ確認という流れ。開始後は装着時間・漏れ・眠気の変化を定期的に確認し、無理のない設定に調整します。

よくあるご相談

装着がつらい…マスクの形状変更、加湿の調整、装着練習で改善することがあります。
旅行・出張…携帯型機器やレンタルで対応可能な場合があります。事前にご相談ください。
治療期間…効果がある限り継続します。中断の可否は症状・検査結果を踏まえて医師と相談します。

口腔内装置(マウスピース)(適応・注意点・歯科連携)

適応

軽症〜中等症、体位依存型、CPAPが合わない方の選択肢。

仕組み

下顎を前方に保持して気道を広げる装置。就寝時に装着します。

ポイント

歯科と連携し、歯・顎関節の状態を確認して作製。装着後は咬合の違和感・顎関節症状の有無をフォローします。

効果判定

装置装着後に再評価(簡易検査等)を行い、効果を確認します。

鼻閉の治療・耳鼻科連携(薬物療法/手術検討の目安)

鼻中隔弯曲、下鼻甲介肥厚、慢性副鼻腔炎など鼻の通りが悪い場合、内科治療(点鼻ステロイド・抗アレルギー薬 等)で改善を目指します。

効果が不十分な場合は耳鼻科で手術的治療を検討します。鼻通気の改善はCPAPや口腔内装置の続けやすさにも関わります

フォローアップ

治療開始後は、眠気の変化・起床時の頭痛・いびきの指摘など症状面と、機器データ(CPAPの使用時間・リーク・残存無呼吸)をあわせて確認します。

必要に応じて体重・血圧・代謝指標もチェックし、生活習慣と治療の両輪で調整します。

効果が不十分な場合は、体位療法の強化/装置の見直し/耳鼻科・歯科との追加連携を検討します。

いびき・睡眠時無呼吸症候群のよくある質問(FAQ)

いびきが大きい=必ずSASですか?

いいえ。いびきはSASのサインの一つですが、鼻炎や扁桃肥大、体位、飲酒などでも起こります。

「いびき+日中の強い眠気/呼吸停止の指摘」がある場合はSASを疑い、評価をおすすめします。

簡易睡眠検査と精密検査(PSG)の違いは?

簡易検査(夜間ポリグラフィ)は自宅で一晩、呼吸や酸素飽和度などを測る方法で、負担が少なくSASの有無や重症度の目安をつかめます。

精密検査(PSG)は医療機関で脳波・筋電図なども含めて詳しく測定し、治療方針の最終判断に役立ちます。結果に応じて選択します。

マウスピース(口腔内装置)はどんな人に向いていますか?

軽症〜中等症、体位で悪化するタイプ、CPAPが合わない方に選択肢となります。

歯科での適合と、装着後の効果判定(再検査)が大切です。

CPAPはずっと続ける必要がありますか?

効果がある限り継続が基本です。体重減少や鼻閉の改善、装置の最適化で負担が軽くなることがあります。中止の可否は再評価(症状・検査)で医師と検討します。

まず自分でできる対策は?

体重管理、就寝前の飲酒を控える、横向き寝、鼻炎の治療、睡眠リズムの安定が基本です。
これらで改善しない・症状が強い場合は外来での評価をご検討ください。

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